焼き芋は好きだけれど、「オーブンで長時間焼くのは大変」「電子レンジだとパサパサになりそう」と感じていませんか。実は、加熱の順番と水分の扱いを少し工夫すれば、電子レンジでも甘くてしっとりしたさつまいもに仕上げられます。
「ためしてガッテン」で話題になった方法として知られているのは、電子レンジで最初に温度を上げ、その後は低い出力でじっくり加熱するやり方です。一般的な電子レンジ加熱だけでは本当の意味で焼くことはできませんが、蒸し焼きに近い、ねっとりした食感を目指せます。この記事では、材料や手順、失敗しにくい温め方、さらに香ばしく仕上げる方法までわかりやすく紹介します。
電子レンジで焼き芋を甘くする基本の考え方
さつまいもの甘さを引き出す温度がある
さつまいもには、でんぷんを分解して甘みに変える酵素が含まれています。この酵素が働きやすい温度帯をできるだけ長く通過させることが、甘く仕上げるポイントです。
最初から600Wや700Wで一気に加熱すると、表面や中心の温度が急に上がり、十分に甘みが増す前に火が通ってしまうことがあります。そこで、最初だけ高めの出力で温め、その後は低い出力に切り替えます。電子レンジの中で「短時間で温める工程」と「低温に近い状態でゆっくり火を通す工程」を分けるのがコツです。
電子レンジでは「焼く」より「蒸し焼き」に近い
電子レンジは食材の水分を利用して内部から加熱するため、オーブンのような焼き色や香ばしい皮を作るのは得意ではありません。その代わり、ラップや濡らしたキッチンペーパーを使うと、水分を保ったまましっとり加熱できます。
ねっとり系の焼き芋が好きなら電子レンジ調理と相性がよく、ほくほく系が好みなら加熱時間を少し短めに調整するとよいでしょう。
ためしてガッテン流として話題の電子レンジ焼き芋レシピ
材料と準備するもの
用意するものは、さつまいも1本、塩、水、電子レンジ対応のキッチンペーパー、ラップ、耐熱皿です。さつまいもは、太さが均一で、重さが250~350gほどのものを選ぶと加熱時間を調整しやすくなります。
品種は、ねっとりした食感なら安納芋系や紅はるか系、ほどよくほくほくした食感なら紅あずま系などが向いています。ただし、同じ品種でも大きさや水分量によって仕上がりは変わります。
塩水に浸ける場合の割合
塩水を使う場合は、水1Lに塩35gを溶かした約3.5%の塩水が目安です。少量なら、水500mlに塩17~18gで作れます。
洗ったさつまいもを塩水に入れ、冷蔵庫で数時間から一晩ほど置きます。時間がないときは30分~1時間程度でも構いません。塩味を強く感じるのが苦手なら、浸ける時間を短くし、加熱前に表面を軽く水で流してください。
塩水を使うと、さつまいもの水分を保ちやすくなり、甘みが引き立つと感じられることがあります。ただし、塩水への浸漬は必須ではありません。時間がない場合は、洗ってすぐ調理しても大丈夫です。
基本の加熱手順
まず、さつまいもを流水でよく洗います。皮付きのまま調理するため、表面の土や汚れを落としてください。水分は完全に拭き取らず、表面が軽く濡れている程度にします。
次に、さつまいも全体を湿らせたキッチンペーパーで包み、その上からラップをふんわり巻きます。ラップをぴったり密閉すると蒸気がこもりすぎることがあるため、端を少しゆるめてください。電子レンジ対応ではないラップや容器は使わないようにしましょう。
耐熱皿にのせ、まず600Wで1分30秒~2分加熱します。これは、さつまいもの内部温度を上げるための工程です。
続いて、電子レンジの出力を150~200W、または解凍モードに切り替えます。250~350gのさつまいもなら、8~12分を目安に加熱してください。途中で一度裏返すと、加熱ムラを抑えやすくなります。
竹串や菜箸を中心まで刺し、抵抗なく通れば完成です。まだ硬い場合は、1分ずつ追加加熱します。加熱直後は熱が内部に回っている途中なので、ラップを外さず5分ほど置くと、中心までしっとりしやすくなります。
失敗しないための加熱時間と調整方法
さつまいもの大きさ別の目安
加熱時間は、重さだけでなく太さにも左右されます。目安として、150~200gなら低出力で6~8分、250~350gなら8~12分、400~500gなら12~16分ほどです。最初の600W加熱は、どのサイズでも1分30秒~2分程度から始めます。
2本以上を同時に加熱する場合は、重ならないように並べてください。単純に本数分の時間を足すより、まず1本分の1.5倍程度から始め、硬さを確認しながら追加するほうが失敗しにくいでしょう。
パサパサになる原因
パサつきの主な原因は、加熱しすぎ、水分不足、細いさつまいもを高出力で長く温めることです。キッチンペーパーが乾いている場合は、全体を軽く濡らしてから包み直してください。
また、600Wで最初から10分以上加熱すると、短時間で水分が抜けやすくなります。低出力機能がない電子レンジでは、500Wで2分加熱した後、いったん取り出して向きを変え、さらに500Wで2~3分ずつ様子を見る方法があります。ただし、低出力で加熱する方法ほど、ねっとりした甘さは出にくい場合があります。
硬いままになる原因
中心が硬いときは、さつまいもの太さに対して加熱時間が足りていない可能性があります。特に冷蔵庫から出したばかりのものや、500gを超える大きなものは時間がかかります。
いったんラップを外さず、1~2分置いて余熱を利用してから、追加で1分ずつ加熱してください。中心を何度も竹串で確認すると水分が逃げやすくなるため、確認はできるだけ少ない回数にします。
さらにおいしくする仕上げのコツ
トースターで香ばしさを加える
電子レンジで中まで柔らかくした後、ラップとキッチンペーパーを外し、トースターで3~5分焼くと、皮に香ばしさが出ます。表面が焦げそうな場合は、アルミホイルをかぶせてください。
ただし、アルミホイルは電子レンジでは使用できません。トースターに移してから使うようにしましょう。電子レンジの庫内にアルミホイルや金属製のものを入れると、火花や故障の原因になります。
切り方と食べるタイミング
加熱直後に半分へ切ると、内部の蒸気が一気に逃げてしまいます。まず5分ほど置き、食べる直前に割るのがおすすめです。よりねっとりした食感が好きなら、粗熱が取れるまでラップをしたまま待つと、しっとり感が増します。
冷めた焼き芋を温め直す場合は、500~600Wで30秒~1分ずつ加熱してください。一度に長く温めると水分が抜けやすいので、短時間ずつ様子を見るのがポイントです。
電子レンジ焼き芋についてのよくある質問
電子レンジだけで本当に焼き芋になりますか?
電子レンジだけでも、柔らかく甘いさつまいもに仕上げられます。ただし、オーブンや炭火のような焼き色や香ばしい風味は出にくく、食感は蒸し焼きに近くなります。香ばしさも楽しみたい場合は、最後にトースターで表面を焼いてください。
塩水に一晩浸けないと甘くなりませんか?
一晩浸けるのは甘みやしっとり感を引き出すための工夫のひとつで、必須ではありません。時間がなければ、洗ったさつまいもを濡れたキッチンペーパーで包むだけでも調理できます。
ラップなしでも作れますか?
作れますが、水分が抜けて硬くなりやすいため、耐熱容器に入れてふたをする方法がおすすめです。電子レンジ対応のふたを使い、密閉しすぎないようにしてください。
途中で爆発することはありませんか?
さつまいもの内部に蒸気がたまると、皮が裂けることがあります。気になる場合は、加熱前に皮へ数か所浅く切れ目を入れてください。ただし、深く切りすぎると水分が流れ出やすくなります。
電子レンジで温めると栄養はなくなりますか?
加熱方法によって成分の残り方は変わりますが、電子レンジだからすべての栄養が失われるわけではありません。皮の近くにも成分が含まれているため、よく洗って皮付きで調理し、焦がしすぎずに食べるとよいでしょう。
まとめ
電子レンジで甘い焼き芋を作るポイントは、最初に600Wで1分30秒~2分加熱し、その後150~200Wの低出力でじっくり温めることです。250~350gのさつまいもなら、低出力で8~12分を目安にし、竹串が中心まで通るか確認してください。
湿らせたキッチンペーパーとラップで水分を保ち、加熱後は5分ほど休ませると、しっとりした食感に仕上がります。香ばしさを加えたいときは、最後にトースターで3~5分焼きましょう。
さつまいもの大きさや電子レンジの機種によって最適な時間は変わります。まずは短めに設定し、1分ずつ追加する方法なら、パサつきや加熱不足を防ぎながら、自分好みの甘さと食感を見つけやすくなります。
