料理の脇に添えられていることが多いパセリですが、実は少量でもさまざまな栄養素を含む野菜です。ためしてガッテンで紹介された「パセリをおいしく食べる方法」が話題になったことをきっかけに、飾りではなく料理の主役として楽しむ人も増えました。
この記事では、パセリに含まれる栄養素や期待される働き、苦味を抑えて食べやすくするコツ、家庭で作りやすい簡単レシピをわかりやすく解説します。パセリを無理なく毎日の食卓に取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
パセリとは?まず知っておきたい基礎知識
パセリはセリ科の植物で、葉が縮れている「モスカールドパセリ」と、葉が平らで香りが比較的やさしい「イタリアンパセリ」がよく知られています。料理の彩りとして使われることが多いものの、葉や茎まで食べられる野菜です。
独特の香りや苦味があるため、たくさん食べるのは難しいと感じるかもしれません。しかし、細かく刻んだり、加熱したり、油やチーズなどと合わせたりすると、風味がまろやかになります。
一般的な生のパセリは、可食部100gあたりで見ると、ビタミンC、β-カロテン、ビタミンK、葉酸、カリウム、食物繊維などを含みます。ただし、家庭で一度に食べる量は10~20g程度が目安です。100g分の数値をそのまま摂取できるわけではないため、「少量でも栄養を補いやすい香味野菜」と考えるとよいでしょう。
パセリに含まれる主な栄養素と期待される働き
β-カロテンで健康維持をサポート
パセリにはβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAへ変換され、皮膚や粘膜、目の健康維持に関わる栄養素です。
β-カロテンは脂質と一緒に摂ると、より効率よく利用されやすいとされています。パセリをオリーブオイルで炒めたり、ドレッシングと合わせたりすると、風味だけでなく食べ方の面でも相性がよいでしょう。
ビタミンCで毎日のコンディションを整える
パセリにはビタミンCも含まれます。ビタミンCは、健康な皮膚や血管を保つために必要な栄養素で、鉄の吸収を助ける働きもあります。
ビタミンCは水に溶けやすく、熱にも弱い性質があります。長時間ゆでると減少しやすいため、生のまま刻んで料理にのせる、短時間で加熱する、汁ごと食べられる料理に使うといった方法がおすすめです。
鉄とビタミンKにも注目
パセリには鉄も含まれています。鉄は赤血球の材料となる栄養素ですが、パセリだけで必要量をすべて補うのは現実的ではありません。肉、魚、大豆製品、卵などと組み合わせ、食事全体で摂ることが大切です。
また、ビタミンKは骨の健康維持や出血時の血液凝固に関わります。パセリは一度に大量に食べる食品ではありませんが、料理に少しずつ加えることで栄養の種類を増やせます。
食物繊維でおなかの調子をサポート
食物繊維は、便通を整えたり、食後の血糖値の急上昇を抑えたりする働きが期待される成分です。パセリの使用量は少なくなりがちですが、刻んでサラダやスープにたっぷり加えれば、食物繊維の補給に役立ちます。
食物繊維を意識する場合は、パセリだけに頼らず、野菜、豆類、きのこ、海藻なども組み合わせましょう。水分を一緒に摂ることも、すっきりした毎日を目指すうえで大切です。
香り成分で食欲や口の中をさっぱり
パセリの香りには、料理の風味を引き立てる成分が含まれています。肉や魚のにおいを和らげ、口の中をさっぱりさせる目的でも使われてきました。
ただし、パセリを食べれば口臭が完全になくなるという意味ではありません。口臭が長く続く場合は、歯みがきや舌のケア、生活習慣などを見直すことが先決です。
ためしてガッテンで話題になったパセリの食べ方
パセリをおいしく食べるコツとして注目されたのが、短時間の加熱です。生のパセリは苦味や青々しい香りが気になりやすい一方、フライパンでサッと加熱すると水分が抜け、香ばしさが出ます。
パセリをおいしくする30秒加熱のコツ
まず、パセリをよく洗って水気をしっかり拭き取ります。葉だけでなく、やわらかい茎も細かく刻むと無駄なく使えます。
フライパンを中火から強めの火で温め、少量の油を入れます。刻んだパセリを加え、ふたをして約30秒を目安に加熱します。焦げやすいため、火が強すぎると感じたら弱めてください。塩をひとつまみ加えるだけでも、香りが引き立ちます。
この方法で作ったパセリは、卵料理、パスタ、炒め物、トーストなどに合わせられます。目安として、パセリ20~30gに対して油小さじ1程度から試すと、重たくなりにくいでしょう。
パセリを効果的に食べるおすすめの方法
油と合わせてβ-カロテンを活用する
β-カロテンを含む食品は、油と組み合わせることで効率よく利用されやすくなります。オリーブオイル、えごま油、なたね油などを使ったドレッシングにパセリを加えると、サラダが食べやすくなります。
ただし、油は小さじ1杯で約37kcalあります。健康を意識する場合も、たくさん入れればよいわけではありません。1人分小さじ1杯程度から調整しましょう。
ビタミンCを意識するなら短時間調理
ビタミンCをできるだけ残したい場合は、加熱時間を短くするのがポイントです。完成したスープに最後に加える、料理を盛りつけてから散らす、刻んだものを冷凍して必要な分だけ使う方法も便利です。
一方で、加熱によって苦味が和らぎ、食べる量が増えるなら、炒める方法にもメリットがあります。栄養素の残り方だけでなく、「おいしく続けられるか」を基準に選びましょう。
鉄を含む食品と組み合わせる
パセリと相性がよいのは、鉄を含む食品です。たとえば、牛肉とパセリの炒め物、あさり入りのスープ、豆腐とツナのサラダなどがあります。ビタミンCを含むパセリを添えることで、食事全体の組み合わせを整えやすくなります。
冷凍保存で無理なく使い切る
パセリは洗ったあと、キッチンペーパーで水分を十分に取り、葉と茎を刻んで冷凍用保存袋に入れます。薄く平らにして冷凍すると、必要な分だけ折って使えます。
保存期間の目安は、冷凍で約1か月です。香りや色を楽しむなら、できるだけ早めに使い切りましょう。解凍すると水分が出やすいため、スープ、炒め物、ソースなど加熱料理に使うと便利です。
簡単に作れるパセリレシピ
パセリとチーズの香ばしトースト
食パン1枚にオリーブオイルを小さじ1杯塗り、刻んだパセリ大さじ1、粉チーズ大さじ1、黒こしょう少々をのせます。トースターで3~4分焼けば完成です。朝食や小腹が空いたときにも食べやすく、パセリの香りが苦手な方にも試しやすい組み合わせです。
パセリたっぷり卵炒め
卵2個を溶き、刻んだパセリ10~15g、塩少々を混ぜます。フライパンに油小さじ1を熱し、卵液を流し入れて、半熟程度まで炒めます。仕上げにトマトやきのこを加えると、彩りと食べ応えが増します。
パセリ入りヨーグルトソース
無糖ヨーグルト大さじ3、刻みパセリ大さじ1、レモン汁小さじ1、塩少々を混ぜます。焼いた鶏肉、魚、温野菜にかけるだけで、さっぱりしたソースになります。マヨネーズを小さじ1加えると、コクのある味わいに変わります。
パセリを食べるときの注意点
パセリは通常の料理に使う範囲で楽しむ食品です。たくさん食べれば健康効果が高まるというものではなく、毎日の食事に少量ずつ取り入れることが基本です。
特定の薬を使用している場合は、ビタミンKを多く含む食品の摂り方について確認が必要になることがあります。また、体質によっては食物アレルギーや胃腸の不調が起こる可能性もあります。初めて大量に食べることは避け、気になる症状があれば摂取を中止してください。
パセリの効能に関するよくある質問
パセリは毎日食べてもよいですか?
一般的な料理に使う量であれば、毎日食べても問題ありません。まずは1日10g程度から始め、スープや卵料理に加えてみましょう。大切なのは、パセリだけで栄養を補おうとせず、主食、主菜、副菜を組み合わせることです。
パセリは生と加熱、どちらがよいですか?
目的によって使い分けるのがおすすめです。香りやビタミンCを意識するなら生、苦味を抑えてたくさん食べたいなら短時間の加熱が向いています。生と加熱を組み合わせれば、飽きずに続けられます。
パセリの茎は食べられますか?
やわらかい茎は食べられます。葉よりも香りが強いことがあるため、細かく刻んでスープ、炒め物、ソースに使うとよいでしょう。かたい部分は煮込み料理の香りづけに利用できます。
パセリだけで貧血対策はできますか?
パセリには鉄が含まれますが、使用量が少ないため、パセリだけで貧血対策をするのは難しいでしょう。肉、魚、大豆製品、卵などを組み合わせ、バランスのよい食事を心がけてください。疲れや息切れなどが続く場合は、自己判断で対処せず、医療機関への相談を検討しましょう。
まとめ
パセリは、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンK、鉄、食物繊維などを含む栄養価の高い香味野菜です。皮膚や粘膜、骨、毎日のコンディションを支える栄養素を補う食品として、少量ずつ取り入れられます。
苦味が気になる場合は、刻んで油と一緒に約30秒加熱すると、香ばしく食べやすくなります。生で料理に散らす、短時間炒める、冷凍してスープに加えるなど、無理なく続けられる方法を選びましょう。
まずは、いつもの卵料理やトーストに大さじ1杯のパセリを加えるところから始めてみてください。彩りだけでなく、香りと栄養も楽しめる一皿になります。
