カレーを作るとき、「じゃがいもは水にさらすもの」と考えている方は多いのではないでしょうか。ところが、じゃがいもを水にさらさず、そのまま鍋に入れても、おいしいカレーは作れます。むしろ、切ったじゃがいもをすぐに加熱することで、ほどよいとろみや、じゃがいもらしい風味を楽しめることもあります。
一方で、水にさらさない場合は、切り方や火加減によって煮崩れしやすくなることがあります。この記事では、じゃがいもを水にさらさないカレーの特徴、水にさらす目的、煮崩れを防ぐ具体的なコツ、品種ごとの違いをわかりやすく解説します。
じゃがいもを水にさらさないカレーはおいしく作れる?
結論からいうと、じゃがいもを水にさらさなくても、おいしいカレーは作れます。特に、じゃがいもを切ったら時間を置かずに炒める、または鍋へ加える場合は、変色も起こりにくいため、必ずしも水に浸ける必要はありません。
水にさらさない場合、じゃがいもの表面に残ったデンプンがカレーに溶け出します。その結果、ルーに自然なとろみがつき、じゃがいもの風味も感じやすくなります。サラサラしたカレーよりも、少し濃度のある家庭的なカレーが好きな方には向いている方法です。
ただし、デンプンが多く出ると、とろみが強くなりすぎることがあります。また、じゃがいもの品種や煮込み方によっては、角が崩れてルーに溶け込む場合もあります。水にさらさないこと自体が失敗の原因になるのではなく、加熱時間や混ぜ方との組み合わせが大切です。
じゃがいもを水にさらす目的とは
変色を抑えるため
じゃがいもは、切って空気に触れると表面が変色することがあります。すぐに炒めたり煮たりすれば目立ちにくいものの、切ってから20〜30分ほど置く場合は、茶色っぽくなることがあります。
水に5〜10分ほどさらすと、空気との接触を減らせるため、変色を抑えやすくなります。見た目をきれいに仕上げたいときや、ほかの材料を切り終えるまで時間がかかるときに便利です。
表面のデンプンや雑味を落とすため
水にさらすと、じゃがいもの表面にあるデンプンの一部が水へ溶け出します。表面のデンプンを減らすことで、ルーのとろみが控えめになり、比較的サラッとした仕上がりになります。
また、じゃがいもの状態によっては、表面の雑味を落としてすっきりした味わいに整えやすくなります。ただし、長時間さらし続ける必要はありません。10〜15分以上浸けると、じゃがいもの風味や水溶性の成分が流れ出る可能性もあるため、短時間で十分です。
水にさらさないカレーで煮崩れを防ぐコツ
切ったらすぐに加熱する
水にさらさない場合は、じゃがいもを切ったまま放置しないことが基本です。皮をむいて4〜5cm角に切ったら、すぐに炒めるか、鍋に加えましょう。
玉ねぎをじっくり炒めてからじゃがいもを切るよりも、先にじゃがいもを切っておくほうが効率的です。切ったじゃがいもをボウルに置いたままにすると変色しやすいため、調理の順番を少し工夫してみてください。
大きすぎない乱切りにする
じゃがいもは、1個を6〜8等分するくらいの乱切りが使いやすいサイズです。大きすぎると中心まで火が通る前に外側が崩れやすくなり、小さすぎると煮込み中に形がなくなりやすくなります。
目安は、ひと口より少し大きい約3〜4cm角です。形をそろえると火の通りも均一になり、一部だけ煮崩れる失敗を防ぎやすくなります。角が多い形は崩れやすいため、切ったあとに角を軽く落とす面取りも効果的です。
炒めるときは表面を固める
肉や玉ねぎを炒めたあと、じゃがいもを加えて2〜3分炒めると、表面が油で覆われ、煮崩れしにくくなります。焼き色をつける必要はありませんが、表面が少し透き通る程度まで炒めるとよいでしょう。
炒める時間が長すぎると、じゃがいもが鍋底に張りつくことがあります。強火ではなく中火を使い、木べらで何度も動かしすぎないこともポイントです。
煮立ったあとは弱めの火にする
煮崩れの大きな原因は、強い沸騰と鍋の中での激しい対流です。水を加えて沸騰したら、弱めの中火に落とし、表面が静かに揺れる程度を保ちます。
一般的な家庭用鍋なら、じゃがいもを加えてから15〜20分が加熱時間の目安です。竹串が中心までスッと通ったら、煮込みすぎないように火を弱めます。鍋の大きさや具材の量によって変わるため、時間だけでなく、串の通り具合も確認しましょう。
混ぜる回数を減らす
ルーを入れる前後に、鍋底から何度もかき混ぜると、やわらかくなったじゃがいもが崩れます。焦げつきが心配な場合は、鍋を持ってゆっくり回すか、へらを鍋底に沿わせて1〜2回だけ動かします。
カレールーは火を止めてから加え、溶けたら弱火で5分ほど温めると、具材への負担を抑えられます。ルーを入れたあとに長時間グツグツ煮込むと、じゃがいもだけでなく肉やにんじんも崩れやすくなります。
品種によって煮崩れしやすさは違う
じゃがいもを水にさらさないカレーでは、品種選びも仕上がりを左右します。煮崩れをできるだけ抑えたい場合は、メークインやとうやなど、煮込み料理に向く品種が使いやすいでしょう。
| 品種 | 特徴 | カレーでの仕上がり |
|---|---|---|
| メークイン | 粘りがあり、煮崩れしにくい | 形が残り、なめらかな食感 |
| とうや | きめが細かく、比較的崩れにくい | 角が少し溶け、軽いとろみが出る |
| 男爵 | ほくほくして崩れやすい | ルーになじみ、ぽってりしやすい |
| キタアカリ | 甘みがあり、ほくほく感が強い | 煮崩れしやすく、濃厚な口当たり |
じゃがいもの形をしっかり残したいならメークイン、具材とルーがなじんだカレーにしたいなら男爵やキタアカリが向いています。同じ分量と煮込み時間でも、品種によってルーのとろみや口当たりが変わる点が、カレー作りのおもしろさです。
水にさらさないカレーの基本手順
3〜4人分なら、じゃがいも2〜3個、玉ねぎ1個、にんじん1本、肉250〜300gを目安にします。じゃがいもは3〜4cm角に切り、切ったらすぐに使います。
まず鍋で肉と玉ねぎを炒め、玉ねぎがしんなりしたら、にんじんとじゃがいもを加えて2〜3分炒めます。水は市販ルーの表示量を基本にしつつ、じゃがいものデンプンでとろみが出やすいことを考え、最初は表示量より50〜100ml少なめにする方法もあります。
ただし、水を減らしすぎると焦げつきやすくなるため、鍋の大きさや具材の量を見ながら調整してください。沸騰後は弱めの中火で15〜20分煮込み、火を止めてルーを加えます。溶けたら弱火で5分ほど温め、濃すぎる場合は少量の湯を足して整えます。
よくある質問
水にさらさないと、じゃがいもは黒くなりませんか?
切ってからすぐに加熱すれば、目立つほど変色するケースは多くありません。切ったまま長く置く場合は、水に5〜10分さらすか、調理の直前に切ると安心です。
水にさらさないと、カレーがドロドロになりませんか?
表面のデンプンや煮崩れたじゃがいもによって、とろみが強くなることはあります。サラサラにしたい場合は、メークインを使い、じゃがいもを炒めてから煮込み、ルーを入れたあとは混ぜすぎないようにします。水分が少ないと感じたら、湯を50mlずつ加えて調整しましょう。
煮崩れたじゃがいもを防ぐには、途中で取り出してもよいですか?
はい。じゃがいもに竹串が通る状態になったら、いったん取り出し、ルーを加えたあとに戻す方法があります。特に男爵やキタアカリなど、崩れやすい品種を使うときに便利です。
水にさらしたほうがよいケースはありますか?
切ってから調理まで時間が空く場合、変色を防ぎたい場合、またはサラッとしたルーにしたい場合は、水にさらす方法が向いています。5〜10分を目安にし、さらしたあとは水気をしっかり切ってから鍋に加えましょう。
まとめ
じゃがいもを水にさらさないカレーは、問題なくおいしく作れます。表面のデンプンがルーに溶け出すことで、自然なとろみとじゃがいもの風味を楽しみやすくなるのが特徴です。
煮崩れを防ぐには、切ったらすぐに加熱する、3〜4cm角にそろえる、2〜3分炒める、沸騰後は弱火にする、混ぜすぎないという5つのポイントを意識しましょう。形を残したいときはメークインやとうや、ほくほくしてルーになじむ仕上がりが好きなら男爵やキタアカリがおすすめです。
水にさらす方法にも、変色やとろみを抑えられるメリットがあります。好みの食感やカレーの濃度に合わせて使い分ければ、いつもの材料でも仕上がりの違いを楽しめます。
